2020年7月26日、弊社は品川区西五反田から豊島区東池袋へ移転いたしました。
今回の移転は今後のオフィス利用の利便性を考えたためです。

東池袋のオフィスを利用できるようになり、久しぶりにオフィス周辺を散策しました。
池袋は、私が20代の青春時代に、ギラギラしたITの世界を私が駆け抜けた、いつもその舞台になった街です。
ここでたくさんの出会いと別れを経験してきました。

オフィスの近くに約15年前、1人の友人が住んでいました。
新オフィスを使えるようになった際、15年前に私たちがよく一緒に散策していたコースを歩き、友人との会話を思い出していました。

友人はいつも底抜けに明るく前向きで、サンシャイン60の周辺に建つ高層マンションを見て、よくこのように言っていました。
「かっこいいビルだなー!いつか、あの高層マンションの最上階に住めるようなカッコいい人間になろう!」
私は仕事上で良く困難にぶつかっていたので、その友人の前向きな言葉を聞く時間が楽しみでした。

当時の私は今以上に社会を知らず、何をしたら世間様に認められるような仕事、商売を行えるようになるのか理解していませんでした。
私はとにかく、IT技術者として一生懸命に仕事と勉強に努力をしたら、いつか世間に認められる人間になれると漠然と思っていました。
私が普通に過ごしていたら、普通の結果しか出せません。
私はTVやニュースで取材を受けている世界的なITアーキテクトたちの記事を読んで、常に思っていました。
「私が物凄く努力をしたら、私もいつか世界最高レベルのIT技術者になれるだろう。
そういうレベルになった自分を想像すると最高にカッコいい。なろう。」

努力は自分の時間の犠牲の上に成り立ちます。
池袋は週末になるに向けて、たくさんの若者が楽しそうに宴会を行う歓楽街です。
当時も今も、私はたくさんの人が楽しそうにお酒を飲んでワイワイしているのを見て、いつか自分もそういう時間を持ちたいと思っていました。
私も、同僚や友人ら皆と一緒に遊びに行きたいと思う若者の一人でした。
20代の頃、私もたくさんの飲み会や交流会のお誘いを受ける機会がありましたが、そのほとんどを断って仕事と大学での勉強をしてきました。

社会的な成功には努力が必須で、努力には大量の時間を費やす自己犠牲が必須であると研究者らが公言しています。
多分、それは正しいと思います。
現在、Youtubeに多くの良識ある研究者らが出てきて、かつて私が「こうじゃないかな?」と思っていたことを後押しするような
科学的根拠をたくさん紹介してくれる時代になりました。

東池袋を散策して、当時からある建物などを見て、街は緩やかに変化し、人は早急に変化することを感じていました。
いつも前向きな言葉を発していた友人も家族が出来て、やがて東京から離れていきました。
人が大切にする価値観、対象は変わるものと変わらないものがあることを知りました。

毎年、東京にはたくさんの人が上京してきて、同じくらいの人数が田舎へ帰っていきます。
私もボストンバッグ1つで上京してきてから20年経ちました。
この20年、あっと言う間に時間が過ぎていきました。
そして、今後20年もあっと言う間に過ぎていくと思います。

今後、私と弊社がどういう歴史、社会的状況、人との出会い、貴重な経験に触れていくか未来は分かりませんが、
いつも自分自身の原点を再確認して世間様に認められる仕事をし、常に前進しようと思います。

バーハイトベラートン株式会社
代表取締役社長 嶋 範之